『或る障害者の日常』

夜十一時のシマフクロウ

 

 はじめまして。夜十一時のシマフクロウといいます。性別はオスです。年齢はまた今度。いまは、ヒ・ミ・ツ。ホオ。

 さて、私の一日は、机の上に一日分の薬を並べることから始まります。障害者にとって正確な服薬は生活の基本です(ここでいう『障害者』とは、主に「精神障害者」を指します)。

 さて、このコロナ渦の中でも、私は平日はだいたい病院のデイケアに通っています。「デイケア」というのは、障害者のための「昼間」のケア施設のことです。病院(それ以外の場所もあります)によっては、ナイト、つまり「夜間」のケアをする、「ナイトケア」というのもあります(「騎士」のナイトではありません)。夜十一時には必ず寝てしまう私には、とんでもないムチャぶりで、当然、私はそういう場所には、通えません。

 デイケアのプログラムは曜日によって違いますが、スタッフやメンバーと身体を動かしたり話をしたりで、だいたいお昼の給食(ありがたや!)と昼休みをはさんで、午後三時まで、まったりと過ごします。

 日々そうやってデイケアで過ごし、帰路は市電と地下鉄に乗り、スーパーで食料品を買って、部屋に戻ってきます。そしてシャワーを浴びます。

 ところで昔、私のそばにいた女性は、よくこう言いました。

「今日一日無事でいられたことに感謝しましょうね」

 私は正直、そこまで人間が出来ていません。世の中に言いたいことは、山ほどあります。

 ただ私は、自分の身を守るために、いくつかのことを考えなければいけないのです。

 それが具体的にどんなことなのか、いまは上手く言えません。意識することもあれば、忘れてしまうこともあります。ただ、こういうことだけは言えそうです。

「人はいつか必ず死ぬ。だから、死に急ぐ必要はない」

 ここまでつれづれなるままに書いてきました。これが最初で最後になる可能性もあるので、付き合ってくれた方には、ありがとうと言っておきます。もっと上手く書ければ良かったのだけれど。

 最後になりますが、これを読んでくれた皆さんの今日のコードネームは、「あなたはたぶんトルーマン・カポーティよりちょっと年下」です。

 それでは、皆さんの人生に幸多からんことを。

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